「 打たれない 」から「 打つ 」へ!
うちの少年団の稽古には 『 互角稽古 』 がありません
あるのは 『 相掛かり稽古 』 だけ!
この 『 相掛かり稽古 』 でさえ、悩みに悩んだ末、小学生どうしのスピードに慣れるための 苦肉の策!
3月に、子ども達の稽古を初めて見させてもらった時、
異常に 「 打たれない 」 とする姿に困惑しました
非常に自分に近いところで受けて、胴を打つ・・・(決してこれを 面返し胴 とは呼べません)
確かに 『 打たれない稽古 』 はありますし、私が中学校の社会人コーチをしていた時も、試合前には行
っていましたが、 絶対的な条件は、まず自分から 「 先をかけて打てる 」 こと
これができてはじめて、 『 打たれない稽古 』 は意味があると思います
そして、「 自分から遠い位置で相手の打ちに対応して、最後は必ず打って終わる 」 という約束事を設け
たうえで行っていました
この時の子ども達の稽古は、はっきりいって 無駄な時間! を過ごしているだけでした
そこで、 「 当分の間 『 互角稽古 』 は封印やな! 」 と心に決めました
引き継いでから、まず行ったことは 「 打つ! 」 こと
とにかく 「 自分から 打つ! 」 という意識を持つこと
そして 「 打たれることを嫌がらない 」 こと
「 相手に2本打たれたら、3本打ち返しなさい! 」 って子ども達の 心を鍛え ました
なので 『 相掛かり稽古 』 なんです
まだまだ、 『 相掛かり稽古 』 でも受けてしまったり、
打つ動作に入ったにもかかわらず、途中で止めてしまったり、
「 何があっても最後まで打ち切る 」 という 「 打つ覚悟!」 ができませんが・・・
少しは 剣道らしく なってきたように思います
『 互角稽古 』 の封印をとく日が待ち遠しいです
『 負け方! 』 が良くなってきた
少年団の子ども達、4月から3回、試合に出ています
結果は・・・
結論を言うと、 『 負け方! 』 が良くなってきました!!
いちばんの変化は、 「 打たれたくない 」 から 「 打ちたい! 」 へ意識が変わったこと
これは 素晴らしい! ことです
現在の稽古の内容は、まだまだ 剣道の基本 を体に覚えさせることが中心
少しづつ どう打つか! ってことをやり始めたばかりです
『 試合の方法 』 なんてことは、まだまだ先の話・・・
あくまでも私個人の思いですが
「 しっかりとした下地 ( 基礎 ) ができていなければ、 応用 ( 試合の対応 ) で必ず壁がやってくる
壁にぶちあたった時、 戻る場所 ( 基礎 ) があれば必ず乗り切れる 」 と考えています
子ども達の剣道人生、まだ始まったばかり
ず~っと長く続けて欲しいので、ここのところは 大事 にしていきたい!
なので、子ども達には
「 10月の市民大会で結果を求めよう! 今は、 どうやったら打たれてしまうのか 経験してきなさい 」
って話をしてます ( 本当は、 「 負ける 」 ことはとてもつらい事ってわかっていますが、子ども達に 真
の強さ を身に着けて欲しいので、心を鬼にして! )
さて、先日 春季の市民大会 がありました
子ども達の 試合内容 や 試合後の自己分析 に 進化 がみられるようになりました
もちろん、 いいところを打てる! ようになりましたし
それ以上に、 いいところを打たれる! ようになってきました
( いいところを打たれる は いいところを打てる と紙一重ですから・・・ )
また、 なぜ打たれてしまったのか ということを話せるようになってきました
( なぜ打たれたか が理解できれば、それを稽古で克服できます )
私の予想をはるかにこえる 進化 のスピードです ( うれしい! )
「 夏、苦しくてつらい思いをしような 」
試合の最後に、こうしめました
籠手を修理しなあかん!どうしよう・・・
十数年前の京都大会の折、その姿に一目惚れして衝動買いしてしまった籠手
長崎は 『 博多屋 』 さんの 『 肥前 』 って銘の二分五厘刺
当時は、地元の中学校の社会人コーチとして中学生とたっぷり稽古させてもらい、多くの中学生の強烈
な小手打ちを受けてくれた 思い出の籠手 です
まだ、細かい刺し目の方が 良し! とされていた頃でしたが、実際使ってみると使い勝手が良く、二分
や二分五厘といった刺し目の大きいものに目を向けさせてくれたきっかけでした
今では、子ども達との稽古では 『 面 』 も二分五厘刺を使用しています
さて、少年団の子ども達との稽古でも、当然のごとく使用しておりましたが・・・
先日の稽古で、両方とも親指と人差し指の間に 違和感 が
なんと、親指と人差し指の間から中の 鹿毛 が出てきてしまっているでは
すごく 思い入れのある籠手 なので、修理して使い続けたいんですが・・・
長崎までは、遠すぎる!
しかし、やはり 誂えていただいたところで直して頂くのが一番 なんやけど
あ~ 悩む、、、、 どうしよう・・・
認識を変える ~その4
『 切り返し 』 には、剣道のすべてが詰まっている!
剣道をされる方には、当然の 認識 だと思います
『 切り返し 』 を行うことで、姿勢や構え、打ちの刃筋や手の内の作用、足さばき、間合、呼吸法、さら
に、強靭な体力や旺盛な気力を養い、気剣体一致の打突が習得できると学んできました
なので、どこの道場や剣道教室でも、様々な方法で 『 切り返し 』 を行い、剣道の基礎を鍛えておられる
と思います
さて、うちの少年団の子ども達はどうだったかというと・・・
「 『 切り返し 』 をやる時、何を意識してやるんや? 」
子ども達 「 ・・・・・ 」 明確な回答はありません
稽古の最初と最後にやることという認識程度だったと思います
なので、あっちも!こっちも!!っていうくらい あかん ところが・・・
ただ 切り返しの形 をなぞっているだけという印象でした
そこで、子ども達に 『 切り返し 』 の留意点 を次のように伝えました
「 『 切り返し 』 は “ 息 ( 呼吸 ) ” の稽古やぞ! 」 って
( 本当は、もっといくつも留意しなければいけないところがあるのですが、いつものように 「 ・・・・・ 」 に
なってしまってはいけませんので、一つに絞ることにしました )
「 特に大事なのは、9本目の左右面を打ち終わった後、息を切らない ( 気をきらない ) で素早く引き、
最後の残った息 ( 気 ) を振り絞って最後の正面を打つんやゾ!
絶対に息を継いではあかん!
最後の正面は、声が出とる出とらんは関係ない、いくら振り絞っても、もう声が続かんと思ったら、心
で 『 面! 』 って叫べばいいから!」 と
まずは、 息が止まる ( 呼吸をする ) とそこで動作が止まってしまう ということを学んで欲しい
なので、どこで 呼吸 をすればいいのかを実際に体験して、身に着けてもらえれば
あっ、黙想の呼吸も 「 短く吸って、長く吐く 」 って、ここから変えていきました
二重の剣道着
6月に入り、暑さに加え湿気も・・・
ひといちばい いやそれ以上の 汗をかく私にとって、つらい時期になりました・・・
ネットなんかを見ていると、 ジャージの刺子 とか 夏用の一重 の剣道着なんてものがありますが
実際、使用感って 「 どうなんでしょ~? 」 なんです
私にとって、この時期の必需品といえば
二重の剣道着 なんです
確かに、汗を吸うと 尋常じゃない重さ! やし、頻繁に洗濯もできませんが・・・
しかし、それ以上に 尋常じゃない汗をきちんと吸ってくれる 強い味方です(笑)
勧められて、一重の剣道着を試した事もありますが、私の汗の量では肌に張り付いてしまって
逆に、動きにくく感じてしまいます
ジャージの刺子の剣道着 には少し興味もありますが・・・ ( 買う勇気がありません・・・ )
唯一のネックは、 値段が高い! ことですネ
6年前に比べて、3割くらい値段あがっとる!(軽い ボヤキ でした)
認識を変える ~その3
うちの少年団の子ども達の 基本打ち でまたまた気になる事
継ぎ足! ※ 継ぎ足も立派な足さばきですが、その前に身につけなあかんことがあるんで
素振り や 基本打ちでも送り足で行う打突 は大丈夫なんですが・・・
なぜなのか? じっくり観察してみました
原因は、2つあるみたいです
① 『 間合 』 を意識しすぎて、足幅が広くなり、加えて左足の踵が上がりすぎている
② 体に勢いをつけるため
もう少し詳しく分析すると
①の場合、上半身に意識が集中して、下半身がおろそかに なっている
そのため、自分の正常な足幅や左足の踵に戻すために、 継ぎ足 を無意識にしている
②の場合は、踏み込みが 平行移動 で行えておらず、上方向に移動している
なので、無意識に 打突部位に届かない という思いがはたらき、それを 勢い でカバーしている
私の少ない知識で、この2つの原因にたどり着きました
そこで、またまた今までの 認識を変える ことに
①に関しては、以前 『 残心 』 でも書いたんですが、優先順位を変えることに
ここでも優先順位は、① 気 ( 気持ち ) ② 足 ③ 構え です
「 気持ち ができたら、次に いつでも打てる足 をまずつくりなさい! 構え はその後でいいから 」 と
我々もそうなんですが、ついつい 打ちたい! って気持ちがはやると、上半身主導になっていまいます
それを グッ! と我慢して・・・ ( 私も できてない! んですが・・・ )
②に関しても、以前少し触れたと思いますが、打突部位を打突部でどうとらえるか
ここの認識を変えることで、 余裕 が生まれると思います
この 余裕 が一番はやく相手に近づけるのが 平行移動 であることに気づき生かされれば
一度体にしみ込んだ 癖 を直すのは、大変なことです
根気強く、言い続けていきたいと思います
認識を変える ~その2
『 残心 』 って何や!?
うちのスポーツ少年団の子ども達に尋ねてみました
基本打ちの打突後が、私からみると いいかげん に感じて・・・
出来ていないことに 何の危機感! もないようで ( 非常に歯がゆい! )
子ども達の返答はというと
「 心を残すこと・・・ 」 「 打った後、ふり返って相手に対して構えること・・・ 」 答えながらも自信なげで
( 心を残すって、どう残すんや! なんて突っ込みたくなりましたが )
『 残心 』 を 打突後の動作の一つ と教わっていたようです
認識を変えなあかんのは二つ!
一つ目は、 打突後すべてが 『 残心 』 やということ
打突して、抜けてふり返った後はもちろんのこと、打突して相手とくっついた後、引き技を打った後
二つ目は、 『 残心 』 そのものの認識
子ども達には難しい言葉を使っても、頭が 「 ・・・・・・ 」 になってはいけないので
「 打った後に 相手より先に次の三つ をつくりなさい 」 と伝えました
まずは、 「 さ~来い 」 ではなく 「 いくぞ~! 」 っていう 気 ( 気持ち ) をつくること
そして、 気 ができたら次に いつでも打てる足 をつくること
最後に、 足 ができたら 相手の動きに対応できる構え をつくること
優先順位 は、① 気 ② 足 ③ 構え
三つ同時にできるのが理想やけど、まずは この順番で つくりなさい! って伝えました
『 切り返し 』 や 『 基本打ち 』 、 『 打ち込み 』 で常にこのことを意識すると、 立派な剣道 にな
るんやけど・・・
特に 『 切り返し 』 にはすべての要素がつまっているので、意識してほしいんやけど・・・
あせらずに、言い続けていこうと思います